日吉で40代50代の体型が変わる理由。体重ではなく中身が入れ替わっています

40代の後半あたりから、同じ生活をしているのに体型が変わった、という話をよくうかがいます。体重計の数字はそれほど変わっていない。食べる量も運動量も、自分では変えたつもりがない。それなのに、服の入り方が違う。

この時期に起きていることは、研究でかなり細かく追われています。しかも、多くの方が想像しているのとは違う形で起きています。

この記事では、閉経の前後に体の中で何が入れ替わるのかを、数字で整理します。そのうえで、何が効いて、何が効かないのかも、効かないほうを含めて書きます。

まず、更年期の定義を確認しておきます

日本産科婦人科学会は、更年期を「閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間」と定義しています。閉経そのものは、月経が1年以上止まったことを確認してから、1年前を振り返って診断されます。

日本人女性の平均閉経年齢は、厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」では50.5歳とされています。これは1995年の調査に基づく数字です。近年の調査では52歳前後とする報告もあり、世代が新しいほど遅くなる傾向が指摘されています。

つまり、多くの方にとって45歳から55歳あたりが該当します。

体重の増え方は、閉経では変わりませんでした

ここが一番、誤解されている部分だと思います。

アメリカで1,246人の女性を長期追跡したSWAN研究の解析(2019年)では、体重の増加ペースは閉経前で年0.50%、閉経移行期で年0.45%と、ほとんど変わりませんでした。著者らははっきり「閉経移行の開始時点で、体重増加の速度に認められるほどの変化はない」と書いています。

体重が増えるのは、閉経のせいではなく加齢のせいだった、ということです。

では何が変わったのか。中身です。

脂肪の増加が2倍に加速し、筋肉は減りはじめます

同じ研究で、体組成は次のように動いていました。

体脂肪量の増加は、閉経前が年1.0%だったのに対し、閉経移行期には年1.7%へ。およそ2倍に加速しています。

一方で除脂肪量、つまり筋肉などは、閉経前が年プラス0.2%だったのに対し、閉経移行期には年マイナス0.2%へ転じます。

脂肪が増え、筋肉が減る。この2つが打ち消し合うので、体重計の数字は動きません。動かないまま、中身が入れ替わります。

なお、この加速は閉経移行期に限定的です。最終月経のおよそ2年前から1.5〜2年後までの間で起き、それを過ぎると脂肪も除脂肪量も傾きがほぼゼロに戻ります。期間が決まっている変化だということも、押さえておいてください。

日本人女性は「太らないまま筋肉だけ減る」型でした

SWAN研究は複数の人種を対象にしており、公式サイトが人種別のパターンを公表しています。

黒人女性と白人女性は似たパターンをたどる一方、日本人女性は脂肪をあまり増やさず、除脂肪量だけを失うパターンだったと報告されています。

体重が増えていないから大丈夫、という判断が一番危ないのは、この型だからです。

増えた脂肪は、おなかの内側に置かれます

脂肪がどこに付くかも変わります。

SWANの別の解析(2021年、380人、DXAによる測定)では、体幹部(アンドロイド)の脂肪増加が閉経前の年1.21%から閉経移行期には年5.54%へ。内臓脂肪にいたっては、閉経前には増加が見られなかったのに、閉経移行期から年6.24%のペースで増え始めていました。

著者らの結論は「閉経移行は中心性肥満の発生と関連する」です。

156人を4年追跡した別の研究(2008年)も、同じ方向を示しています。皮下の腹部脂肪は全員が加齢とともに増えた一方、内臓脂肪が有意に増えたのは、期間中に閉経した群だけでした。この群では睡眠時のエネルギー消費の低下が1.5倍大きく、脂肪の燃焼量は32%低下していました。

ちなみに2021年の解析は、腹囲などの周囲径の測定は画像診断に比べて脂肪分布の変化に鈍感だ、とも述べています。メジャーで測っているだけでは、この変化は拾いきれません。

骨は、最終月経の1年前から減り始めます

体組成よりも、もう少し急ぐ必要があるのが骨です。

SWANの骨密度解析(2012年、862人)では、骨量の減少は最終月経の1年前に始まり、2年後に減速する(ただし止まりはしない)とされています。つまり最終月経をはさんだ3年間が、急速に減る時期です。

この3年間で、腰椎の骨密度は7.38%、大腿骨頸部は5.8%減っていました。SWANの公表資料は、この時期の減少を「平均しておよそ年2%」と表現しています。10年間の累積では、腰椎で約10%です。

そして、減り方には差があります。BMIが高いほど、またアフリカ系であるほど緩やかで、日本人や中国系は速い部類に入ると報告されています。

ここでも、体格が小さめの日本人女性は不利な側にいます。

ただし、日本の骨粗鬆症はこの10年で減っています

悪い話ばかりではないので、こちらも書いておきます。

日本の地域住民コホート(ROAD研究)を用いた解析(2022年)では、腰椎の骨粗鬆症有病率は、女性で19.2%(2005〜07年)から13.9%(2015〜16年)へ低下していました。70歳以上の女性に限ると、48.9%から38.8%へ下がっています。大腿骨頸部については有意な変化はありませんでした。

40歳以上の推計患者数は約1,590万人、うち女性が約1,180万人とされています。少ない数ではありませんが、傾向としては改善しています。

ここで効くのは、有酸素ではなく「重さ」でした

では何をすればいいのか。ここがこの記事の中心です。

骨量の低い閉経後女性101人を対象にしたランダム化比較試験(LIFTMOR試験、2018年)があります。週2回、1回30分、8か月間。デッドリフト、オーバーヘッドプレス、バックスクワットを、1回挙げられる最大重量の85%を超える強度で、5回5セット。これに衝撃を伴う動作を加えたプログラムです。平均年齢は65歳でした。

8か月後の結果です。

腰椎の骨密度は、トレーニング群がプラス2.9%、対照群がマイナス1.2%。大腿骨頸部は、トレーニング群がプラス0.3%、対照群がマイナス1.9%。身長は、トレーニング群がプラス0.2cm、対照群がマイナス0.2cmでした。立ち上がりや歩行などの機能面も、すべての項目でトレーニング群が上回っています。

背筋力は36.3%、脚の伸展筋力は37.1%向上していました。

安全性についても書いておきます。2,600回を超えるトレーニングセッションのうち、有害事象は1件のみ。デッドリフトの最終セット最終回で生じた、軽度の腰部の筋の張りでした。ただし著者らは「高度に監督された条件下で」という限定を明記しています。見ている人がいる前提の数字だ、ということです。

新しいメタ解析も、方向は同じでした

試験1本では心もとないので、統合した結果も見ておきます。

閉経後女性のレジスタンストレーニングと骨密度に関する2025年のメタ解析(17試験・690人)では、腰椎と大腿骨頸部のどちらでも有意な改善が確認されています。サブグループの解析では、1回あたりの最大重量の70%以上という高強度、週3回、48週以上という条件が有利でした。

ただし、この解析は研究間のばらつきが非常に大きく、著者自身が「結果の正確性に影響しうる」と注意書きをしています。数字を強く受け取りすぎないほうがいい種類の結果です。

2018年以降の試験に絞った2026年のメタ解析でも、閉経後女性では大腿骨頸部・腰椎ともに有意な改善が出ています。ただしこちらも「効果量は小さく、方法論上の限界がある」と結ばれています。

効きます。ただし劇的ではない。それが正直なところです。

転倒については、筋トレ「だけ」では足りません

骨の話をすると、どうしても転倒の話が出てきます。ここは、当ジムに都合の悪い結果が出ている部分なので、そのまま書きます。

地域在住の高齢者を対象にした108試験・23,407人を統合したコクランレビュー(2019年)では、運動全般によって転倒の発生率が23%減っていました。確実性の高いエビデンスです。

問題は内訳です。バランスと機能的な動作のトレーニングは24%の減少、それらにレジスタンストレーニングを加えた複合型は34%の減少。一方で、レジスタンストレーニング単独、ダンス、ウォーキングについては「効果は不確実」とされています。

著者らははっきり「バランスと機能的なエクササイズを含まないレジスタンス運動の効果については不確実である」と書いています。

重いものを持つトレーニングは骨に効く。けれど転倒を減らしたいなら、バランスの課題を別に入れる必要がある。2つは別々の欄だということです。

ホットフラッシュが運動で治る、とは書けません

もうひとつ、正直に書いておくべきことがあります。

更年期ののぼせ・ほてりといった血管運動神経症状について、コクランレビュー(2014年、5試験・733人)は、運動群と無治療群のあいだに症状の頻度・強度の差は認められなかった、と結論しています。エビデンスの質は「低い」とされています。

その後、21試験・2,884人を統合した2022年のメタ解析では、症状の重症度に有意な改善が見られました。ただしバイアスリスクの高い研究を除外すると有意差は消え、頻度についても変化はありませんでした。

したがって「運動でホットフラッシュが楽になります」という言い方は、現時点では根拠不足です。症状そのものについては、婦人科にご相談ください。

運動の価値は、体組成と骨と筋力と転倒予防の側にあります。そこは動かしようがないほど、はっきりしています。

たんぱく質は、量より「割合」の話に変わります

最後に食事です。

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)では、女性のたんぱく質推奨量は18歳以上どの年代でも1日50gで変わりません。変わるのは目標量のほうで、総エネルギーに占める割合の下限が、50〜64歳で14%、65歳以上で15%へ引き上げられています。

減量のために食事量を減らすと、この割合は自動的に下がります。中高年以降は「何g食べたか」より「全体の何割がたんぱく質か」を見たほうが、基準に沿った判断ができます。

国際的な推奨もあわせておきます。高齢者の栄養に関する2013年のポジションペーパーは、運動している高齢者には体重1kgあたり1日1.2g以上を推奨しています。一方、49試験・1,863人を統合した2018年のメタ解析は、体重1kgあたり1日およそ1.62gを超えると、それ以上の除脂肪量の増加は得られないと報告しました。同じ解析で、たんぱく質を増やすことの効果は年齢が上がるほど小さくなることも示されています。

つまり1.2から1.6の間、というのが現実的な範囲です。ただし重度の腎機能障害がある場合は制限が必要になるので、該当する方は主治医の指示を優先してください。

参考:日吉のCLEAN.の場合

比較の材料になるよう、当ジムがどうしているかも書いておきます。

日吉駅 西口から徒歩3分、女性専用・完全個室のパーソナルジムです。20代から60代までの方が通われています。男性は法人契約と、既存会員様からのご紹介のみお受けしています。ウェア・シューズ・タオル・水は無料でお貸しするので、手ぶらで通えます。

この年代の方には、まず体重ではなく中身を見ていただきます。体重が変わらないまま除脂肪量が落ちているケースは、この記事に書いたとおり珍しくありません。会員アプリに体重・食事・歩数・トレーニングを記録していただき、10日ごとにまとめてフィードバックをお返しします。月額プランには毎日のLINE食事指導が含まれます。

トレーニングは、骨に効かせたいなら重さが要る、転倒を防ぎたいならバランスの課題が要る、という2つを分けて組みます。ただし、上に挙げた試験が「高度に監督された条件下で」と限定しているとおり、この強度を自己流で扱うのは勧めません。完全個室でトレーナーが付くのは、そのためです。

骨密度の測定そのものは当ジムでは行いません。気になる方には受診をお勧めしています。歯科医師・理学療法士・鍼灸師の先生方とつながりがあり、必要に応じてご紹介もしています。

料金は月4回コース(週に一度)が42,000円(税込46,200円)、月8回コース(週に二度)が72,000円(税込79,200円)。24回分の回数券は211,200円(税込232,320円・有効期限180日)で、こちらに毎日のLINE食事指導は含まれません。入会金は30,000円(税込33,000円)で、事務手数料や更新料はありません。月額プランに最低継続月数の縛りと違約金はありません。割引もキャンペーンもしていません。詳細は料金・プランのページに、女性専用である理由は日吉の女性専用ジムのページにまとめています。

まとめ

閉経をはさんだ数年で、体重の増え方は変わりません。変わるのは中身です。脂肪の増加は2倍に加速し、除脂肪量は減少に転じます。日本人女性は、太らないまま筋肉だけを失う型が報告されています。

脂肪は内臓の側に置かれ、骨は最終月経の1年前から減り始めて、3年間でおよそ年2%ずつ失われます。

これに対して、週2回30分の高強度レジスタンストレーニングは、8か月で腰椎の骨密度を2.9%増やしました。同じ期間、対照群は1.2%減っています。ただし転倒予防にはバランスの課題が別に必要で、ホットフラッシュそのものへの効果は根拠不足です。

食事は、量ではなく総エネルギーに占める割合で見てください。50歳からは14%、65歳からは15%が下限です。

どこで取り組まれるにしても、この時期に「体重が変わっていないから大丈夫」で通り過ぎないことを願っています。

日吉に通うのが難しい方は、横浜のオンラインパーソナルトレーニング・オンライン食事指導もご検討ください。

出典

日本産科婦人科学会「更年期障害」/厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」/Greendale GA ほか, JCI Insight, 2019/SWAN 公表資料(体組成・骨の健康)/Greendale GA ほか, The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 2021/Lovejoy JC ほか, International Journal of Obesity, 2008/Greendale GA ほか, Journal of Bone and Mineral Research, 2012/Yoshimura N ほか, Journal of Bone and Mineral Metabolism, 2022(ROAD研究)/Watson SL ほか, Journal of Bone and Mineral Research, 2018(LIFTMOR試験)/Zhao F ほか, Journal of Orthopaedic Surgery and Research, 2025/Jones E ほか, Menopause, 2026/Sherrington C ほか, Cochrane Database of Systematic Reviews, 2019/Daley A ほか, Cochrane Database of Systematic Reviews, 2014/Liu T ほか, Climacteric, 2022/厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」/Bauer J ほか, Journal of the American Medical Directors Association, 2013/Morton RW ほか, British Journal of Sports Medicine, 2018

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