万年ダイエッターから抜けるには。何度リバウンドしても、次の結果は落ちません

「またリバウンドしました」。日吉で体験トレーニングにお越しになる方から、かなりの頻度でうかがう言葉です。20代から何度も繰り返して、もう何年目か分からない、という方も少なくありません。

この記事は、その状態を責めるためのものではありません。むしろ逆で、「繰り返してしまうのは意志の問題ではなく、確率の問題だ」という話を、数字で書きます。そして最後に、繰り返しから抜けた人たちに共通していた行動を並べます。

まず、戻るほうが多数派です

米国の減量プログラム研究29件・4,298人を統合したメタ解析(2001年)があります。平均4.5年追跡したあと、維持できていた減量は平均3.0kg。最初に落とした量のうち、残っていたのは23.4%でした。

言い換えると、約77%は戻っています。10kg落とした人の手元に4〜5年後に残っているのは、平均して2〜3kg。これが、何十件もの研究を足し合わせたときの姿です。

この数字を最初に置くのは、脅すためではありません。「自分だけが失敗している」という前提が間違っていることを、先にはっきりさせておきたいからです。

そもそも、痩せる必要がない人が痩せようとしています

厚生労働省の令和5年(2023年)国民健康・栄養調査によると、やせ(BMI 18.5未満)の割合は男性4.4%に対し、女性は12.0%。そして20〜30歳代女性では20.2%が、すでにやせの範囲に入っています。5人に1人です。

同じ調査で、肥満(BMI 25以上)の女性は21.1%。この10年、女性では有意な増減がありません。増えているのは男性のほうです。

にもかかわらず、減量の情報とサービスの多くは女性に向けて流れています。すでに標準か、それより軽い人が、さらに落とそうとして繰り返す。「万年ダイエッター」の一定部分は、この構図の中にいます。

繰り返すこと自体が体に悪いのか、を正直に書きます

ここは、断定しないほうが誠実な領域です。研究の結果が割れています。

観察研究23件・441,199人を統合したメタ解析(2019年)では、体重変動の大きい人で全死因死亡がリスク比1.41、心血管疾患の発症が1.49と報告されています。ただしこの種の研究は、「意図して減らした体重の増減」と「病気による意図しない体重減少」を分けられません。

実際、意図的な減量に限って解析した米国の大規模コホート(2012年、男女122,638人、追跡1992〜2008年)では、体重サイクル(意図的に4.5kg以上減らして戻す、を1サイクルと定義)の回数と死亡リスクに関連が見られませんでした。女性で1〜4サイクルのハザード比は0.93、20サイクル以上でも0.99です。著者らは「体重サイクルによる死亡リスク上昇を支持しない」と明記しています。

一方で、韓国の健診データベース613万人を追跡した研究(2022年)では、体重の10%の増減サイクルを2回以上経験した群で、2型糖尿病の発症がハザード比1.263、高血圧が1.175でした。そしてこの関連は女性、BMIが標準域の人、高齢者でより強かったと報告されています。

まとめると、「リバウンドしたから寿命が縮む」とは言えません。ただし「標準体型の女性が何度も大きく増減させる」という、まさに万年ダイエッターの形については、代謝性疾患との関連を示すデータがあります。怖がらせたいのではなく、繰り返す構造そのものを変える理由はある、ということです。

なぜ定着しないのか(1)減らし方が体を削っている

ランダム化比較試験62件・4,429人を統合したネットワークメタ解析(2025年)が、はっきりした数字を出しています。

カロリー制限のみの群は、対照群と比べて除脂肪量が1.66kg有意に減っていました。一方、レジスタンストレーニングを併用した群は、低強度・中強度・高強度のいずれでも、除脂肪量の有意な減少が消えています。除脂肪量の保持を順位づけると、カロリー制限単独が最下位でした。

中高年を対象にした系統的レビュー(2010年、52研究)でも同じ方向です。エネルギー制限のみの群では56%が除脂肪量1.5〜3kgの減少を示したのに対し、エネルギー制限+運動の群では8%にとどまりました。

食事だけで落とすと、落ちた分のうち一定量は筋肉です。そして筋肉が減った体は、同じ食事量でも余りやすくなる。次の挑戦が前回より難しくなるのは、気のせいではありません。

なぜ定着しないのか(2)たんぱく質が足りていません

令和5年の国民健康・栄養調査による、女性のたんぱく質摂取量の平均は、20代で59.2g/日、30代で62.0g/日、40代で61.6g/日です。

これは減量していない状態での平均値です。ここから食事を減らせば、当然さらに下がります。除脂肪量を守りながら減量するという目的に対して、出発点からすでに余裕がありません。

「体重を測りましょう」だけでは足りないことも分かっています

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

自己体重測定について系統的レビュー・メタ解析(2015年)が行われています。結果は、こうでした。

  • 体重測定を単独の介入として行った研究では、平均差 −0.5kg(95%信頼区間 −1.3〜0.3)で有意差なし
  • 行動プログラムに体重測定を上乗せした場合は −1.7kg(−2.6〜−0.8)で有意
  • 体重測定を含む多要素介入と無介入の比較では −3.4kg(−4.2〜−2.6)
  • そして、結果を誰かに報告する仕組み(アカウンタビリティ)がある試験では、減量幅が有意に大きい(p = 0.03)

これを裏づけるランダム化比較試験もあります。減量後の583人に、電話で毎日の体重測定と目標設定を勧めた群と通常ケア群を12か月比較したところ、体重変化の差は0.53kg(−0.64〜1.71)で有意差なし。「測りましょうと勧めるだけでは、リバウンドは防げない」という結論でした。

道具が足りないのではありません。測ること自体はほぼ無料で、誰でも今日からできます。にもかかわらず効かない。効くのは、測った数字が誰かに届いて、そこから次の手が決まるときでした。

抜けた人たちが実際にやっていたこと

米国のNational Weight Control Registry(体重の10%以上を意図的に減らし、1年以上維持している人の登録簿)から、具体的な行動が分かっています。

登録者2,886人(女性78%、平均48歳)を10年追跡した研究(2014年)では、登録時の減量31.3kgに対し、10年後も23.1kgを維持。5年後・10年後ともに87%超が10%以上の減量を維持していました。そしてリバウンドと関連した要因は、身体活動の低下、食事のセルフコントロールの低下、体重測定の中断、脂質摂取の増加でした。

登録者の行動プロフィール(2005年の報告)はこうです。

  • 朝食を毎日食べる:78%
  • 毎日体重を測る:44%/週1回以上測る:31%(合わせて75%)
  • 身体活動:女性で週2,545kcal相当
  • 平均維持期間:5.7年

派手なことは何もありません。測って、食べて、動く。それを何年も続けている、というだけです。

何度失敗していても、次の結果は落ちません

最後に、この記事でいちばんお伝えしたい研究です。

閉経後の過体重女性439人を、食事のみ・運動のみ・食事+運動・対照の4群にランダム割付し、12か月追跡した研究(2013年)があります。参加者のうち、4.5kg以上の減量を3回以上経験した「中等度サイクラー」が103人、9.1kg以上を3回以上の「重度サイクラー」が77人いました。

結果は、リバウンドを繰り返してきた人でも、減量の成功率も、体組成・代謝指標の改善も、リバウンド歴のない人と変わらなかったというものでした。著者らは「体重サイクルの既往は、生活習慣介入への参加の成功を妨げない」と書いています。

何度戻っていても、体が「もう反応しない体」になっているわけではありません。変えるべきは体ではなく、やり方のほうです。

参考:日吉のCLEAN.の場合

比較の材料になるよう、当ジムがどうしているかも書いておきます。

日吉駅 西口から徒歩3分、女性専用・完全個室のパーソナルジムです。男性は法人契約と、既存会員様からのご紹介のみお受けしています。ウェア・シューズ・タオル・水はすべて無料でお貸しするので、手ぶらで通えます。

何度もリバウンドされてきた方には、初回に「今回は何kg落としますか」とは聞きません。先にうかがうのは、前回どこで止まったか、そのとき何を削ったか、です。食事だけで落としてきた方の場合、まず落とす速度を落とします。上に書いたとおり、速く落とすほど除脂肪量が削られ、次が難しくなるからです。

月額プランには毎日のLINE食事指導と、10日ごとのフィードバックが含まれます。これは「監視」のためではなく、上のメタ解析で有意差が出たアカウンタビリティの部分を担保するためのものです。測った数字が誰にも届かないなら、測る意味はほとんどありません。

料金は月4回コースが42,000円(税込46,200円)、月8回コースが72,000円(税込79,200円)。24回分の回数券は211,200円(税込232,320円・有効期限180日)で、こちらにLINEの食事指導は含まれません。入会金は30,000円(税込33,000円)で、これ以外の追加料金はありません。3つのプランの違い料金・プランのページに、含まれるものをすべて書いています。

まとめ

4〜5年後に残っている減量は、最初に落とした量の平均23%。戻るほうが多数派です。

繰り返すこと自体で寿命が縮むとは言えませんが、標準体型の女性が大きな増減を繰り返すことと、糖尿病・高血圧の発症との関連を示す大規模データはあります。

定着しない理由は、食事だけで落とすと除脂肪量が有意に減ること(−1.66kg)と、日本女性のたんぱく質摂取が元から60g前後しかないこと。そして、体重測定を勧めるだけでは効果がなく、誰かに報告する仕組みがあって初めて減量幅が有意に大きくなること。

そして、何度リバウンドしていても、次の減量の結果は落ちません。

日吉に通うのが難しい方は、横浜のオンラインパーソナルトレーニング・オンライン食事指導(CLEAN.Online)もご検討ください。

- CLEAN.

出典

Anderson JW ほか, American Journal of Clinical Nutrition, 2001/厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」/Zou H ほか, Frontiers in Endocrinology, 2019/Stevens VL ほか, American Journal of Epidemiology, 2012/Kim SH ほか, Scientific Reports, 2022/Xie Y ほか, Frontiers in Nutrition, 2025/Weinheimer EM ほか, Nutrition Reviews, 2010/Madigan CD ほか, International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity, 2015/Daley A ほか, Public Health Research(NIHR), 2019/Thomas JG ほか, American Journal of Preventive Medicine, 2014/Wing RR, Phelan S, American Journal of Clinical Nutrition, 2005/Mason C ほか, Metabolism, 2013

よくある質問

Q. 何度もリバウンドしていると、もう痩せにくい体になっていますか?
A. 繰り返した回数そのものが次の結果を決める、という根拠はありません。メタ解析で分かっているのは「4〜5年後に残る減量は平均3.0kg」という全体の傾向で、これは個人の資質ではなく方法の設計の問題です。

Q. リバウンドの確率を下げるには何を変えればいいですか?
A. 落とす速さと、終わりのある方法をやめることです。期限付きのやり方は、期限が来た時点で元の生活に戻る設計になっています。

Q. 体重が戻ってしまったら、続けた意味はなかったのでしょうか?
A. いいえ。筋肉量と食事の判断力は体重ほど早く戻りません。同じ体重に戻っても、見た目と次の戻りにくさは変わっています。

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