セルライトは何なのか。マッサージや運動で消えるのか

体験トレーニングにお越しになる方から、「太ももの裏のデコボコが気になる」「痩せてもセルライトだけは残る」という相談を受けることがあります。セルライト専用のクリームやマッサージに通ったことがある、という方も少なくありません。

この記事では、セルライトとは何なのか、マッサージや運動で消えるのかを、皮膚科のレビューと研究の数字をもとに整理します。はっきりしていることと、まだはっきりしていないことは分けて書きます。

先に結論です

  • セルライトは、皮膚の下の脂肪が、脂肪を仕切る線維の壁に引っぱられて、デコボコに見える状態です。皮膚科のレビューでは、この線維の壁が中心的な役割をしていると考えられています。
  • 皮膚科のレビューでは、思春期以降の女性の80〜90%にあるとされています。男性にはまれです。病気でも、不健康のサインでもありません。
  • 「老廃物」や「水分がたまったもの」という説明は、研究では支えられていません。水分や脂肪の割合を測った研究では、セルライトのある人とない人で差が出ませんでした。
  • 減量すると良くなる人が多い一方、目立つようになる人もいます。女性29人の研究では、17人が改善し、9人が悪化しました。
  • マッサージやクリームは、根拠が弱いか、効果が一時的です。治療法を広く調べたレビューでも、はっきり効果があると言えるものは見つかっていません。
  • 運動でセルライトそのものが消えるという直接の証拠は、ほとんどありません。ただ、脂肪を減らし、筋肉をつけることで、見た目が整う可能性はあります。

以下、それぞれの根拠を順番に書きます。

セルライトの正体:脂肪と、それを仕切る線維の壁

皮膚のすぐ下には皮下脂肪があります。皮下脂肪は、ひとかたまりではなく、線維でできた壁(隔壁)で小さな部屋に仕切られています。この壁は、皮膚と、その下の膜をつなぐ役割もしています。

脂肪の部屋がふくらんで皮膚側に押し出される一方で、線維の壁が皮膚を下に引っぱる。この差が、表面のデコボコとして見えるのがセルライトです。

2020年のレビュー(Dermatologic Surgery)では、セルライトの原因はまだはっきりしていないとしたうえで、皮膚や脂肪の変化は主な原因ではなく、線維の壁が中心的な役割をしているという臨床的な証拠がそろってきている、とまとめています。

女性と男性では、壁のつくりが違います

MRIで皮下の脂肪を調べた研究(2002年、Skin Research and Technology)では、セルライトのある女性で、皮膚に対して垂直に走る線維の壁の割合が高いことが分かりました。脂肪が皮膚の層に深く入り込み、脂肪の内側の層も厚くなっていました。

ただし著者たちは、線維の壁は曲がりくねった網の目のようなつくりで、「女性は垂直、男性は斜め45度」と単純には分けられない、とも書いています。よく見かける「女性は縦、男性は斜め」という説明は、少し単純にしすぎた言い方です。

2019年には、ご遺体の女性10人・男性10人(平均76歳)のお尻の皮下を調べた研究(Plastic and Reconstructive Surgery)があります。

  • 皮膚とその下の膜をつなぐ仕切りは、男性のほうが多く入っていました。
  • 仕切りを引きちぎるのに必要な力は、男性で平均38.46N、女性で23.26Nと、男性のほうが強いつくりでした。
  • 女性であること、BMIが高いことは、皮膚に近い脂肪の部屋が縦に大きいことと関係していました。

女性は、もともとの構造として、脂肪が皮膚側に出やすいつくりになっている、ということです。努力が足りないからできるものではありません。

思春期以降の女性の8〜9割にあります

2015年に67本の論文を調べたレビュー(American Journal of Clinical Dermatology)と、2017年のレビュー(Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology)は、どちらもセルライトは思春期以降の女性の80〜90%にあるとしています。2017年のレビューでは、人種を問わず見られること、男性にはまれであることも書かれています。ただし同じレビューは、どのくらいの人にあるのかを正確に調べたデータは少ない、とも書いています。80〜90%は、大まかな目安として受け取ってください。

アメリカ皮膚科学会の一般向けの解説でも、「ほとんどの女性に、とても引き締まった女性にも、セルライトはある」と説明されています。

体験の方から「セルライトがあるのは不健康だからですか」と聞かれることがありますが、そうではありません。皮膚科のレビューでも、セルライトは見た目の悩みとして扱われていて、病気としては扱われていません。気になるかどうかは人それぞれで、気にならないなら、無理に何かをする必要はないものです。

「老廃物がたまったもの」ではありません

セルライトを「老廃物や水分がたまって固まったもの」と説明する広告を、よく見かけます。でも、今回確認した皮膚科のレビューは、どれもセルライトを線維の壁と脂肪の構造で説明していて、老廃物を原因にはしていません。

先ほどの2002年のMRIの研究では、脂肪の中の水分と脂肪の割合も測っています。結果は、男女の間でも、セルライトのある人とない人の間でも、差がありませんでした。著者たちは、セルライトのある女性で水分が多いという説は確認できなかった、と書いています。

2017年のレビューでも、セルライトのある部分の脂肪と、ない部分の脂肪は、組織の見た目が同じだったという報告が紹介されています。セルライトだけが「特別に悪い脂肪」というわけではありません。

夕方に脚がパンパンになる「むくみ」は、セルライトとは別の現象です。むくみについては夕方に脚がむくむのはなぜかで書いています。

体重を落とすと、セルライトはどうなるか

「痩せればセルライトも消える」と思われがちですが、研究の結果はそう単純ではありません。

医師の管理する減量プログラムに参加した女性29人を調べた研究があります(2006年、Plastic and Reconstructive Surgery)。体重の減り方は平均で約30ポンド(約14kg)、人によって大きな幅がありました。太ももの形や脂肪、皮膚のやわらかさを機器で測り、セルライトの変化を見ています。

  • 17人はセルライトが改善しました。体重と太ももの脂肪の割合がしっかり減った人、もともとBMIが高めだった人、もともとセルライトが目立っていた人で改善しやすい傾向がありました。
  • 一方で、9人は悪化しました。もともとBMIが低めだった人、減量幅が小さく太ももの脂肪の割合が変わらなかった人、減量後に皮膚がゆるんだ人で悪化しやすい傾向がありました。

アメリカ皮膚科学会も、余分な体重はセルライトを目立たせやすく、減量で目立たなくなる人がいる一方で、減量で皮膚がゆるむと、かえって目立つことがある、と説明しています。

体重が多めの方にとっては、減量が見た目の改善につながりやすいと言えます。もともと体重が軽めの方が、セルライトのためにさらに体重を落とすのは、すすめにくいというのが正直なところです。

マッサージ、クリーム、機器の根拠

マッサージとクリームを比べた試験があります。女性を対象に行われた12週間の試験(1999年、Plastic and Reconstructive Surgery)では、片脚にだけ、吸引しながらもみほぐす機器によるマッサージや、セルライト用の成分を含むクリームを使い、もう片方の脚と比べました。最後まで参加したのは52人です。

  • 本人が「良くなった」と感じた脚は、クリームで35本中3本、マッサージで35本中10本でした。
  • 太ももの太さと、超音波で測った脂肪の厚さは、どのグループでも左右の脚に差がありませんでした。

著者たちは、どちらの方法もセルライトの見た目を良くする効果はない、と結論しています。アメリカ皮膚科学会の解説でも、この種のマッサージは研究によって結果がばらつき、見た目が良くなっても、やめると1か月ほどで戻りやすいとされています。カフェインを含むクリームについても、続けて毎日塗る必要があると書かれています。

治療法全体で見ても、根拠はまだ弱いです。2015年のレビューは67本の論文を調べましたが、偽の治療と比べたきちんとしたランダム化試験は19本しかありませんでした。結論は「どの治療法にも、はっきりした効果の証拠は見つからなかった」です。機器を使った治療の多くは、研究の方法に大きな問題があったとされています。

なお、線維の壁そのものに働きかける医療機関での治療もあり、皮膚科の領域で研究が進んでいます。気になる方は、皮膚科や形成外科の医師に相談してください。私たちはジムなので、特定の治療や商品をおすすめすることはしません。

筋膜リリースやストレッチなど、体をほぐすケアには、こりや動きやすさのための意味があります。ただ、セルライトを「流す」「つぶす」ものではない、と考えてください。

運動でセルライトは消えるのか。正直に書きます

私たちは筋トレのジムですが、ここは研究の結果をそのまま書きます。運動だけでセルライトがどう変わるかを直接調べた試験は、ほとんどありません。

参考になる試験がひとつあります。ランダム化試験(2013年、Dermatology and Therapy)では、セルライトのある18〜65歳の女性が、お尻の筋トレを毎日続けました。1日2回、片脚15回ずつの、2種類の自宅での運動です。片方のグループには医療機器による治療を、もう片方には見せかけの治療を組み合わせました。

12週間後、筋トレと見せかけの治療のグループでは、セルライトの重症度のスコアは10.0から10.1と、変わりませんでした。自宅での軽いお尻の運動を3か月続けただけでは、セルライトの見た目は変わらなかった、ということです。この試験は運動の効果を調べるためのものではないので、強い運動や食事の改善を組み合わせた場合のことは分かりません。

一方で、運動に意味がないわけではありません。

  • 2006年の減量の研究では、太ももの脂肪の割合がしっかり減った人ほど、セルライトが改善していました。運動と食事で体脂肪を減らすことは、ここにつながります。
  • アメリカ皮膚科学会は、筋肉が増えると皮膚がなめらかで引き締まって見え、脂肪が筋肉に置きかわるとセルライトが目立ちにくくなる、と説明しています。

ただし、太ももだけを動かして太ももの脂肪だけを落とす「部分痩せ」は、研究では確認されていません(女性の内臓脂肪の落とし方で試験を紹介しています)。脂肪を減らすのは全身の運動と食事、形を整えるのは筋トレ、と役割を分けて考えるのが、研究と噛み合った考え方です。体重が同じでも、筋肉と脂肪の割合で見た目は変わります。くわしくは同じ体重なのに見た目が違う理由をどうぞ。

セルライトだけを見て一喜一憂するより、お尻や太ももの筋トレを続けながら、体脂肪をゆっくり減らしていく。そのうえで、脚全体の形がどう変わったかを写真で比べるほうが、変化に気づきやすいと思います。筋トレの頻度については女性の筋トレは週何回がいい?で書いています。

参考:日吉のCLEAN.の場合

比較の材料になるよう、当ジムがどうしているかも書いておきます。

CLEAN.は、日吉駅 西口から徒歩3分、女性専用・完全個室のパーソナルジムです。行っているのは、ダンベルやマシンを使う筋トレと、毎日のLINEでの食事指導です。この記事で書いたとおり、運動や食事でセルライトが「消える」とはお約束できません。私たちがお手伝いできるのは、体脂肪を減らすことと、お尻や太ももの筋肉をつけて、脚全体の形を整えることです。

体験トレーニングでは、最初に姿勢と動きを確認し、目的をうかがいます。もともと体重が軽めの方に、セルライトのためだけに減量をすすめることはしません。

まとめ

セルライトは、皮下脂肪と、それを仕切る線維の壁の構造によって、皮膚がデコボコに見える状態です。思春期以降の女性の8〜9割にあり、男女で皮下の構造が違うことが分かっています。老廃物がたまったものでも、不健康のサインでもありません。

減量で良くなる人は多いものの、体重が軽めの人や、減量で皮膚がゆるんだ人では目立つこともあります。マッサージやクリームは、根拠が弱いか、効果が一時的です。運動だけで消えるという証拠はありませんが、体脂肪を減らし、筋肉をつけることは、見た目を整える方向に働きます。

セルライトは、多くの女性の体にある、ごく普通のものです。気になる方は、消すことより「脚全体をどう整えるか」で考えると、取り組みやすくなります。

- CLEAN.

参考文献

Bass LS, Kaminer MS, Dermatologic Surgery, 2020/Querleux B, Cornillon C, Jolivet O, Bittoun J, Skin Research and Technology, 2002/Rudolph C ほか, Plastic and Reconstructive Surgery, 2019/Luebberding S, Krueger N, Sadick NS, American Journal of Clinical Dermatology, 2015/Friedmann DP, Vick GL, Mishra V, Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology, 2017/Smalls LK ほか, Plastic and Reconstructive Surgery, 2006/Collis N, Elliot LA, Sharpe C, Sharpe DT, Plastic and Reconstructive Surgery, 1999/Knobloch K, Joest B, Krämer R, Vogt PM, Dermatology and Therapy, 2013(試験計画:BMC Women's Health, 2010)/American Academy of Dermatology「Cellulite treatments: What really works?」

脚やお尻の形をどう整えていくかは、今の体の状態と生活で変わります。まずは体験トレーニング(約50分)で、一緒に確認しましょう。→ 体験トレーニングの流れを見る

よくある質問

セルライトはマッサージで消せますか?

消せるという根拠は弱いです。吸引しながらもみほぐす機器と、塗り薬を12週間比べた試験では、太ももの太さや脂肪の厚さに差は出ず、著者たちはどちらも効果がないと結論しています。アメリカ皮膚科学会も、この種のマッサージで見た目が良くなっても、やめると1か月ほどで戻りやすいと説明しています。

痩せればセルライトはなくなりますか?

良くなる人が多い一方で、目立つようになる人もいます。減量プログラムに参加した女性29人を調べた研究では、17人が改善し、9人は悪化しました。もともと体重が軽めで、減量幅が小さく、減量後に皮膚がゆるんだ人で悪化しやすい傾向がありました。

セルライトがあるのは、太っているからですか?

太っていなくてもあります。皮膚科のレビューでは、思春期以降の女性の80〜90%にあるとされ、アメリカ皮膚科学会も、とても引き締まった女性にもあると説明しています。皮膚の下の線維の壁と脂肪の構造によるもので、男女で構造が違うことが分かっています。

この記事は、日吉駅西口から徒歩3分・女性専用の日吉のパーソナルジム CLEAN. が書いています。

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