体験トレーニングにお越しになる方から、いちばんよく聞かれる質問のひとつが「筋トレは週に何回やればいいですか」です。「本当は週3回くらい行くべきなんですよね」「週1回しか時間が取れないのですが、意味はありますか」と、少し申し訳なさそうに聞かれることもよくあります。
この記事では、その質問に研究の数字で答えます。私たちはパーソナルジムなので「回数は多いほどいい」と書いたほうが都合がいいのかもしれません。でも、研究の結果はそう単純ではありません。分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて書きます。
先に結論です
- 目安は週2〜3回です。厚生労働省も世界保健機関(WHO)も、筋トレは「週2日以上(2〜3日)」を勧めています。
- 同じ筋肉を週1回より週2回鍛えたほうが、筋肉は増えやすいという研究のまとめがあります。
- ただし、1週間のトレーニングの総量(セット数など)が同じなら、回数の違いによる差は小さいことも分かっています。回数そのものより「1週間でどれだけやったか」のほうが大事です。
- 週1回でも意味はあります。週1回のグループでも筋力は伸びていて、一度ついた筋力は週1回で保てたという試験もあります。まったくやらないより、ずっといいです。
- 休養日は必要です。国の目安の「週2〜3日」は、休む日があることを前提にした数字です。
以下、それぞれの根拠を順番に書きます。
国とWHOの目安は「週2日以上」
まず、公的な目安からです。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者に、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。この数字は、休息日をとることを考えたうえでの推奨値とされています。また、ここでいう筋力トレーニングには、マシンやダンベルを使うものだけでなく、腕立て伏せやスクワットのように自分の体重を負荷にする運動も含まれます。
世界保健機関(WHO)の2020年のガイドラインも、ほぼ同じです。18〜64歳の成人に対して、中程度以上の強さで、全身の主な筋肉を使う筋トレを週2日以上行うことを勧めています。65歳以上では、これに加えて、バランスと筋力を中心にしたさまざまな運動を週3日以上行うことが、転倒の予防のために勧められています。
そしてWHOのガイドラインには、「少しでも体を動かすことは、まったく動かさないよりよい」という一文があります。週2回が難しい方にとって、ここは大事なところなので、あとでもう一度触れます。
同じ筋肉なら、週1回より週2回のほうが筋肉は増えやすい
では、なぜ「週2回」なのか。筋肉を増やすことについて、週の回数を比べた研究をまとめたメタ解析があります。
2016年にSports Medicineに掲載されたSchoenfeldらの研究では、健康な成人を対象に、週の回数を変えて4週間以上トレーニングし、筋肉の大きさを測った試験10件をまとめました。結果は、回数の多いグループのほうが筋肉の増え方が大きく、その差は統計的にもはっきりしていました。
- 回数が多いグループ:効果量 0.49
- 回数が少ないグループ:効果量 0.30
効果量というのは、変化の大きさを研究どうしで比べられるようにそろえた数字で、大きいほど変化が大きかったことを表します。
著者たちは、週2回は週1回より筋肉を増やす効果が高いとし、主な筋肉は少なくとも週2回は鍛えるべきだと結論しています。一方で、週3回が週2回より優れているかどうかは、まだ分からないとも書いています。「多ければ多いほどいい」とまでは言えない、ということです。
ただし、大事なのは「回数」より「1週間の総量」
ここからが、少し話が変わるところです。
回数が多いグループは、たいてい1週間にこなすセット数(トレーニングの総量)も多くなります。では、総量をそろえたうえで、それを週1回でやるか、週2〜3回に分けてやるかを比べたらどうなるのか。
この点を調べたのが、同じSchoenfeldらが2019年にJournal of Sports Sciencesに発表したメタ解析です。対象の研究は25件に増えています。結果は、1週間の総量が同じなら、回数が多くても少なくても、筋肉の増え方に意味のある差はありませんでした。トレーニング経験のある人だけで見ても、上半身と下半身に分けて見ても、同じでした。
総量をそろえていない研究では、回数が多いほうが有利な傾向がありましたが、週1回と週3回以上の差は小さいものでした。著者たちは、1週間の総量が同じなら、回数は本人の好みで選んでよいとまとめています。
筋力(持ち上げられる重さ)についても、同じような結果が出ています。2018年にSports Medicineに掲載されたGrgicらのメタ解析(22件)では、週の回数ごとの筋力の伸び(効果量)は次のとおりでした。
- 週1回:0.74
- 週2回:0.82
- 週3回:0.93
- 週4回以上:1.08
回数が多いほど伸びが大きく、この差は統計的にも意味のあるものでした。ところが、総量をそろえた研究だけで見ると、回数による差はなくなりました。著者たちは、回数の効果に見えたものは、主に総量の違いによるものだろうと書いています。
女性の方に関係するところでは、この解析を男女別に見ると、女性では回数が多いほど筋力が伸びやすいという結果が出ていて、男性でははっきりしませんでした。ほかにも、スクワットのように複数の関節を使う種目、上半身、若い世代でも、回数が多いほうが有利という結果でした。ただし著者たちは、回数そのものに効果があるかどうかはまだはっきりしない、と慎重な書き方をしています。
まとめると、こうなります。
- 回数を増やすと、自然と1週間の総量が増えるので、結果も出やすくなる。
- でも、同じ量なら「何回に分けるか」はそれほど重要ではない。
- 1回にたくさんやるのは疲れるし、フォームも崩れやすい。だから現実には、週2〜3回に分けるのがやりやすい。
「週2〜3回」という目安は、効果と続けやすさの両方から、無理のない数字だと私たちは考えています。
週1回でも意味はあるのか
あります。理由は3つです。
1つめ、週1回でも筋力は伸びています。上で紹介したGrgicらのメタ解析では、週1回のグループの効果量は0.74でした。週4回以上の1.08より小さいとはいえ、はっきり伸びています。「週1回では意味がない」という結果ではありません。
2つめ、一度ついた筋力は週1回で保てたという試験があります。2011年にMedicine & Science in Sports & Exerciseに掲載されたBickelらの試験です。20〜35歳と60〜75歳の成人70人が、まず16週間、週3回の脚のトレーニングを行いました。その後の32週間を、次の3つに分けています。
- まったくやめる
- 週1回に減らす(1週間の量は3分の1)
- 週1回・各種目1セットだけに減らす(1週間の量は9分の1)
やめたグループは、増えた脚の筋肉(除脂肪量)が8週間でほぼ元に戻りました。一方、週1回に減らした2つのグループは、20〜35歳のグループも60〜75歳のグループも筋力を保てていました。ただし、筋肉の太さ(筋線維の大きさ)を保てたのは若い世代だけで、60〜75歳のグループでは週1回では保てませんでした。著者たちは、年齢が上がるほど、筋肉の量を保つにはもう少し頻繁なトレーニングが必要だろうと書いています。
3つめ、やっている人とやっていない人では、健康面の差が出ています。2022年にBritish Journal of Sports Medicineに掲載された、Mommaらのメタ解析です。16件の追跡調査をまとめた結果、筋トレをしている人は、していない人に比べて、死亡のリスクが15%低い(相対リスク0.85)という関連がありました。心臓や血管の病気、がん全体、糖尿病、肺がんの発症リスクも、10〜17%低くなっていました。
まとめると、週1回は「やらないよりずっといい」。そして、筋肉を増やしたい、年齢とともに落ちる筋肉を食い止めたいなら、できれば週2回を目指したい、というのが今の研究から言えることです。
時間でいうと、週30〜60分がひとつの目安
回数ではなく時間で考える方法もあります。上のMommaらのメタ解析では、筋トレの時間と健康リスクの関係も調べています。
- 死亡、心臓や血管の病気、がん全体のリスクがいちばん下がっていたのは、週30〜60分あたりでした(約10〜20%低い)。
- 糖尿病のリスクは、週60分くらいまでは大きく下がり、そこから先はゆるやかに下がっていました。
- 筋トレと有酸素運動の両方をしている人は、どちらもしていない人に比べて、死亡のリスクが40%低い(相対リスク0.60)という関連がありました。
週30〜60分は、たとえば「1回20〜30分を週2回」です。思っているより少ない、と感じる方も多いのではないでしょうか。
ここは正直に補足します。この研究は、運動している人としていない人を追いかけて比べた調査で、「筋トレをしたから病気が減った」と言い切れる種類の研究ではありません。著者たちも、根拠の確かさは多くが「非常に低い」と評価し、もっと長い時間の筋トレがどう影響するかははっきりしないと書いています。数字はあくまで目安として受け取ってください。
休養日はなぜ必要か
「毎日やったほうが早く効果が出るのでは」と考える方もいます。気持ちはよく分かりますが、筋肉はトレーニングをしている最中ではなく、そのあと休んでいる間に回復して強くなります。
厚生労働省のガイドでも、筋トレではしっかりと筋肉を休める時間(休息日)をとることが大切とされ、「週2〜3日」という数字自体が休息日を考えた推奨値になっています。なお、同じ筋肉を何時間あければいいかという具体的な数字は、国のガイドには書かれていません。
実際には、次のように考えると分かりやすいです。
- 全身を1回で鍛えるなら、間に1日以上あける(例:月曜と木曜、火曜と金曜)。
- 週4回以上やりたいなら、「上半身の日」「下半身の日」のように部位を分けて、同じ筋肉が連日にならないようにする。
アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2009年の指針でも、初心者は全身を週2〜3日、中級者は週3〜4日(全身なら3日、部位を分けるなら4日)、上級者は部位を分けて週4〜6日という段階の目安が示されています。運動を始めたばかりの方が、いきなり週4回以上にする必要はありません。
また、強い筋肉痛が残っている、睡眠が足りない、体調がすぐれない、という日は、休むか軽めにするほうが、長い目で見て結果につながります。
生活に合わせた、回数の決め方
- 週1回しか時間が取れない:まずはそれで十分に意味があります。1回で全身を鍛え、可能なら家でスクワットなどの自重トレーニングを週1回足すと、国の目安の週2日に届きます。
- 週2回できる:研究の結果とも国の目安ともいちばん噛み合う回数です。1回で全身、間を1日以上あけて。
- 週3回以上やりたい:増やすこと自体はよいことです。ただし、回数を増やしたぶん1回あたりの量を調整して、疲れをためないようにしてください。
- 40代以降で、筋肉の量を保ちたい:上のBickelらの試験のとおり、年齢が上がるほど週1回では筋肉の量を保ちにくくなります。週2回を目指すのがおすすめです。
どの場合も、いちばん大事なのは「続くこと」です。週3回の計画を立てて1か月でやめてしまうより、週2回を1年続けるほうが、体ははるかに変わります。
「週2〜3回もやるとゴツくなる」が心配な方へ
回数を増やすことをためらう理由として、よく聞くのがこれです。女性は男性に比べて筋肉を太くするホルモンが少なく、週2〜3回の筋トレで見た目がゴツくなることは、まずありません。くわしくは筋トレでゴツくならない理由と筋肉をつけるのに男女で差は有るの?にまとめています。
参考:日吉のCLEAN.の場合
比較の材料になるよう、当ジムがどうしているかも書いておきます。
CLEAN.は、日吉駅 西口から徒歩3分、女性専用・完全個室のパーソナルジムです。コースは月4回(週1回のペース)と月8回(週2回のペース)の2つです。
この記事に書いたとおり、研究と国の目安にいちばん近いのは週2回です。ただ、仕事や家庭の都合で週1回しか時間が取れない方も多くいらっしゃいます。週1回でも続けることには意味があるので、どちらのペースが合うかは、体験トレーニングのときに生活の予定と一緒にご相談ください。週1回の場合は、家でできる短い自重トレーニングを足して、週2日に近づけるという方法もあります。
料金は月4回コースが42,000円(税込46,200円)、月8回コースが72,000円(税込79,200円)、入会金は30,000円(税込33,000円)です。体験トレーニングは約50分・5,000円(税込5,500円)で、ご入会された場合は無料になります。ウェア・シューズ・タオル・水はすべてお貸しするので、手ぶらで来ていただけます。
まとめ
筋トレの回数の目安は週2〜3回です。厚生労働省もWHOも「週2日以上」を勧めていて、同じ筋肉を週1回より週2回鍛えたほうが筋肉は増えやすいという研究のまとめもあります。
ただし、1週間の総量が同じなら、回数による差は小さいことも分かっています。回数そのものより、「1週間でどれだけやったか」と「それを続けられるか」が大事です。
週1回でも、筋力は伸び、一度ついた筋力は保てたという試験があり、まったくやらないより健康面でもよい結果が出ています。時間でいえば週30〜60分がひとつの目安です。休養日をはさみながら、まずは無理なく続けられる回数から始めてください。
- CLEAN.
出典
Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW, Sports Medicine, 2016/Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J, Journal of Sports Sciences, 2019/Grgic J, Schoenfeld BJ ほか, Sports Medicine, 2018/Bickel CS, Cross JM, Bamman MM, Medicine & Science in Sports & Exercise, 2011/Momma H, Kawakami R, Honda T, Sawada SS, British Journal of Sports Medicine, 2022/Ratamess NA ほか(American College of Sports Medicine), Medicine & Science in Sports & Exercise, 2009/World Health Organization「WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour」2020/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
週に何回、どんな内容で通うのがいいかは、目的と生活のリズムで変わります。まずは体験トレーニング(約50分)で、一緒に確認しましょう。→ 体験トレーニングの流れを見る
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よくある質問
筋トレは毎日やってもいいですか?
同じ筋肉を毎日続けて鍛えるのはおすすめしません。筋肉はトレーニングのあと休んでいる間に回復して強くなるためです。厚生労働省の目安「週2〜3日」も、休息日をとることを前提にした数字です。週4回以上やりたい場合は、上半身の日と下半身の日のように部位を分け、同じ筋肉が連日にならないようにしてください。
週1回の筋トレでも効果はありますか?
あります。週の回数を比べた研究のまとめでは、週1回のグループでも筋力ははっきり伸びていました。また、一度ついた筋力は週1回のトレーニングで保てたという試験もあります。ただ、筋肉を増やしたい場合や、40代以降で筋肉の量を保ちたい場合は、週2回のほうが有利です。家での自重トレーニングを週1回足すのもよい方法です。
1回あたり何分くらいやればいいですか?
健康面では、筋トレの時間が週30〜60分あたりで死亡や病気のリスクがいちばん低かったという研究のまとめがあります。週2回なら1回20〜30分が目安です。ただしこれは追跡調査による関連で、根拠の確かさは高くありません。時間よりも、全身の主な筋肉にしっかり負荷をかけることを優先してください。
この記事は、日吉駅西口から徒歩3分・女性専用の日吉のパーソナルジム CLEAN. が書いています。