サウナで痩せる?体重が減る理由と、汗と脂肪の違い

体験トレーニングにお越しになる方から、「サウナのあとに体重計に乗ると減っているので、ダイエットになっている気がする」という声を聞くことがあります。週末のサウナが習慣になっている、という方も増えました。

この記事では、サウナで体重が減る理由と、それが脂肪なのか水分なのかを、研究の数字をもとに整理します。サウナの健康面の研究、注意したいこと、筋トレとの組み合わせ方も書きます。はっきりしていることと、まだはっきりしていないことは分けて書きます。

先に結論です

  • サウナのあとに体重が減るのは、ほとんどが汗として出た水分です。水を飲めば元に戻ります。
  • 汗の量は、医学誌のレビューで1回のサウナで平均0.5kgほどとされています。
  • サウナで使うエネルギーを直接測った研究は、ほとんど見つかりませんでした。心拍計から推定した研究では10分で約73kcalです。体脂肪1kgは約7,000kcalなので、サウナだけで脂肪を減らすのは現実的ではありません。
  • フィンランドでは、サウナの回数が多い人ほど心臓病で亡くなるリスクが低いという研究があります。ただしよく引用される2015年の研究は男性だけで、どれも観察研究です。サウナが原因とまでは言えません。
  • お酒を飲んだあとのサウナは避けてください。フィンランドでサウナ中に亡くなった人の半数は、アルコールの影響を受けていました。
  • 運動の回復にサウナが効くという根拠は弱く、翌日のタイムが遅くなったという試験もあります。

以下、それぞれの根拠を順番に書きます。

サウナで体重が減る理由:減っているのは主に水分です

サウナの中では、体は汗をかいて熱を逃がそうとします。2001年のレビュー(American Journal of Medicine)では、ふつうのサウナ1回で出る汗は平均0.5kgほどとされています。慣れた人が中くらいの強さで入ると、心拍数は1分間に100回くらいまで上がる、とも書かれています。

実際に体重を測った研究もあります。2020年の研究(Montenegrin Journal of Sports Science and Medicine)では、運動習慣の少ない若い男性55人が、90〜92℃の乾いたサウナに16分入りました。冷水などで体を冷やす時間を含めた体重の減り方は、平均で約0.2〜0.3kgでした。著者たちは、これを汗で失った分としています。

汗の重さは、ほぼ水の重さです。0.5kgの汗をかけば、体重計の数字は0.5kgほど下がります。そして、水を飲めば同じだけ戻ります。体重が1日の中で水分によって動く話は、体重を毎日測るデメリットでも書いています。

汗と脂肪は、別のものです

汗は、主に水と塩分です。体脂肪が汗に溶けて出ていくわけではありません。体脂肪が減るのは、食事でとるエネルギーより、使うエネルギーが多い状態が続いたときです。仕組みは体脂肪が減るメカニズムにまとめています。

2019年にサウナと運動を比べた研究(Complementary Therapies in Medicine)を紹介した大学の発表で、著者は「サウナでは筋肉を動かさないので、減量の効果は小さい」「サウナで減った体重は、汗で出た水分にすぎない」と説明しています。

サウナで使うエネルギーは、どれくらいか

ここは、正直に書くとデータが少ない分野です。サウナの中で酸素の消費量を測り、エネルギーを直接計算した研究は、今回調べた範囲ではほとんど見つかりませんでした。

数字が出ているのは、心拍計を使った推定です。2019年の研究(HOMO)では、運動習慣の少ない若い男性42人(平均体重は約87kg)が、90〜92℃のサウナに入りました。推定されたエネルギーは、10分で約73kcal、12分で約104kcal、14分で約125kcalでした。

ただし、これは心拍数から計算した値です。サウナでは、体温を下げるために心拍数が上がります。運動を想定した計算式で、実際に使ったエネルギーをどこまで正しく出せているかは分かりません。対象も体重の重い若い男性なので、女性にそのまま当てはめるのは難しいと考えてください。

項目数字出典
1回のサウナで出る汗平均0.5kgほどAmerican Journal of Medicine, 2001
16分のサウナ後の体重の減り方平均約0.2〜0.3kgMontenegrin J Sports Sci Med, 2020
10分のサウナで使うエネルギー(心拍計で推定)約73kcalHOMO, 2019
体脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギー約7,000kcal厚生労働省 e-ヘルスネット

仮に推定どおり10分で73kcalだとしても、体脂肪1kg分に届くには、単純計算で10分のサウナを90回以上くり返すことになります。しかも、その間に減った体重の多くは、水を飲めば戻る水分です。

2019年の研究では、19人が25分のサウナに入ったとき、血圧と心拍数が、自転車で約100ワットの運動をしたときと同じくらいまで上がりました。心臓には運動に近い負担がかかります。ただ、筋肉はほとんど動いていません。温泉についても同じ考え方で、温泉のダイエット効果の記事で書いています。

健康面の研究:フィンランドの観察研究

サウナの健康面でよく紹介されるのは、フィンランドの研究です。

2015年の研究(JAMA Internal Medicine)では、東フィンランドの42〜60歳の男性2,315人を、中央値で20.7年追いかけました。サウナが週4〜7回の人は、週1回の人に比べて、心臓突然死のリスクが0.37倍、すべての原因による死亡が0.60倍でした。この研究に女性は入っていません。

2018年には、女性も含めた研究(BMC Medicine)が出ています。53〜74歳の1,688人(うち女性867人)を、中央値で15年追いかけました。週4〜7回の人は、週1回の人に比べて、心臓や血管の病気で亡くなるリスクが低くなっていました(年齢と性別をそろえて0.30倍)。

ただし、女性だけで見ると、はっきりした差は出ていません。週4〜7回の女性73人では心臓や血管の病気で亡くなった人がいなかったため、女性だけのリスクは計算できませんでした。男女で傾向が違うという証拠もありませんでした。

著者たちは、限界として次の点を挙げています。

  • サウナの回数は、本人の申告です。
  • 調整しきれていない別の要因が残っている可能性があります。
  • フィンランドの伝統的な乾いたサウナの結果で、ほかの温浴やサウナに慣れていない人にも当てはまるかは分かりません。

観察研究なので、「サウナに入ると長生きする」とまでは言えません。体重や体脂肪についての研究でもありません。温浴と体の反応については、ヒートショックプロテイン温浴法の記事もあります。

注意したいこと:お酒、血圧、妊娠、熱中症

消費者庁も注意を呼びかけています

消費者庁は2024年6月に、サウナ浴での事故について注意を呼びかけました。事故情報データバンクには78件が登録され、2014〜2021年度は年4件ほどでしたが、2022年度以降は各年度10件に増えています。

多いのはやけど、切り傷・すり傷、骨折・打撲です。40歳以上では、めまいや意識障害、心臓や血管の不調も含まれています。心筋梗塞をしたことがあり、医師からサウナを控えるよう言われていた人が、心臓発作で入院した例も紹介されています。急な動作を避け、体調に合わせて無理をしないことが勧められています。

お酒を飲んだあとは入らないでください

フィンランドで1990〜2002年にサウナ中に亡くなった人を調べた研究(Journal of Forensic Sciences, 2008)では、半数がアルコールの影響を受けていました。先ほどの2001年のレビューも、サウナ中の飲酒は避けるべきとしています。

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)も、飲酒中や飲酒後の運動・入浴など、体に負担のかかる行動を避けるべきこととして挙げています。血圧が大きく変動して心筋梗塞などを起こしたり、転んでけがをしたりするおそれがあるためです。

血圧と立ちくらみ

2019年の研究では、サウナの中で血圧と心拍数は上がり、出たあとは入る前より下がりました。2001年のレビューでも、サウナのあとに血圧が下がり、失神することがあると書かれています。立ち上がるときはゆっくり動いてください。

同じレビューでは、不安定な狭心症、最近の心筋梗塞、重い大動脈弁狭窄症がある人は、サウナを避けるべきとされています。高血圧や心臓の病気で治療中の方は、主治医に相談してください。

妊娠中の方

2001年のレビューは、合併症のない健康な妊婦ではサウナは安全としています。一方、アメリカで女性23,491人を追いかけた研究(JAMA, 1992)では、妊娠中に熱いお湯の浴槽(ホットタブ)を使った人で、赤ちゃんの神経管の病気のリスクが約2.8倍でした。サウナは1.8倍でしたが、はっきりした差とは言えない結果でした。研究によって結論が分かれているので、妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、主治医に相談してください。

脱水と熱中症のサイン

厚生労働省の熱中症のリーフレットでは、軽いサインとしてめまい、立ちくらみ、手足のしびれ、こむら返り、気分が悪い、さらに頭痛、吐き気、だるさなどが挙げられています。サウナの中やあとでこうした症状が出たら、すぐに涼しい場所で休み、水分をとってください。自力で水が飲めない、意識がおかしいときは、救急車を呼んでください。

水分補給の考え方

運動習慣の少ない大学生674人を調べた研究(The Scientific World Journal, 2014)では、BMIが高い人ほど、サウナで減る体重が大きい傾向がありました。著者たちは、体格の大きい人ほど脱水に気をつけ、水分をしっかり補うよう呼びかけています。

決まった量を示した根拠は、今回は見つけられませんでした。実際には、次のように考えると分かりやすいと思います。

  • サウナの前後で体重を測ると、減った分がおおよその汗の量です。
  • その分を目安に、水を一度にではなく、少しずつ飲みます。
  • 汗では塩分も出ます。たくさん汗をかいた日は、食事も含めて補ってください。
  • 厚生労働省は、のどの渇きを感じていなくても、こまめな水分補給をすすめています。
  • お酒は水分補給の代わりになりません。

筋トレや運動とサウナの組み合わせ方

「運動のあとにサウナに入ると回復が早い」と言われることがありますが、根拠はまだ弱く、結果も分かれています。

2007年の研究(Journal of Science and Medicine in Sport)では、男性の長距離ランナー6人が、練習後に約90℃のサウナに約30分、3週間で13回ほど入りました。疲れ切るまで走れる時間が32%のび、血液の液体成分(血漿)が7.1%増えました。ただ、6人の男性ランナーの結果で、脂肪や体重の話ではありません。

反対の結果もあります。2020年の研究(International Journal of Sports Physiology and Performance)では、競泳やトライアスロンの選手20人(女性3人)が、激しい練習のあとに80〜85℃のサウナに8分×3回入りました。翌朝の4×50mのタイムは平均1.69秒遅くなり、サウナに入らなかった条件では0.66秒速くなりました。著者たちは、翌日に強い練習や試合があるときは注意するよう書いています。

私たちの考えとしては、サウナはリラックスや楽しみとして取り入れ、体脂肪を減らす手段とは考えないほうがいいと思います。筋トレの直後に入るなら、まず水分をとり、短めにする。疲れが強い日や体調がすぐれない日は入らない。体脂肪を減らすのは、食事と筋トレ、日常の活動量の役割です。

参考:日吉のCLEAN.の場合

比較の材料になるよう、当ジムがどうしているかも書いておきます。

CLEAN.は、日吉駅 西口から徒歩3分、女性専用・完全個室のパーソナルジムです。行っているのは、ダンベルやマシンを使う筋トレと、毎日のLINEでの食事指導です。サウナの設備はありません。サウナがお好きな方には、やめてくださいとは言いません。トレーニングの日に入る場合は、水分のとり方を一緒に確認します。

体験トレーニングでは、最初に姿勢と動きを確認し、目的をうかがいます。体重の変化を見るときは、サウナや入浴のあとの数字ではなく、同じ条件で測った数字を使うようお願いしています。

まとめ

サウナのあとに体重が減るのは、主に汗として出た水分です。1回の汗は平均0.5kgほどで、水を飲めば戻ります。サウナで使うエネルギーを直接測った研究は少なく、心拍計による推定でも10分で約73kcal。体脂肪1kgの約7,000kcalにはほど遠い量です。

フィンランドの研究では、サウナの回数が多い人ほど心臓や血管の病気で亡くなるリスクが低いという結果がありますが、2015年の研究は男性だけで、どれも観察研究です。飲酒後のサウナは避け、持病のある方や妊娠中の方は主治医に相談してください。

サウナは楽しみとして、無理なく。体脂肪は、食事と運動で、時間をかけて減らしていく。この分け方がいちばん確実だと思います。

- CLEAN.

参考文献

Hannuksela ML, Ellahham S, American Journal of Medicine, 2001/Podstawski R, Borysławski K, Clark CCT, Laukkanen JA, Gronek P, Montenegrin Journal of Sports Science and Medicine, 2020/Podstawski R ほか, HOMO Journal of Comparative Human Biology, 2019/Podstawski R ほか, The Scientific World Journal, 2014/Ketelhut S, Ketelhut RG, Complementary Therapies in Medicine, 2019/Laukkanen T, Khan H, Zaccardi F, Laukkanen JA, JAMA Internal Medicine, 2015/Laukkanen T, Kunutsor SK, Khan H, Willeit P, Zaccardi F, Laukkanen JA, BMC Medicine, 2018/Kenttämies A, Karkola K, Journal of Forensic Sciences, 2008/Milunsky A ほか, JAMA, 1992/Scoon GSM, Hopkins WG, Mayhew S, Cotter JD, Journal of Science and Medicine in Sport, 2007/Skorski S ほか, International Journal of Sports Physiology and Performance, 2020/消費者庁「サウナ浴での事故に注意」2024/厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」2024/厚生労働省 熱中症予防リーフレット/厚生労働省 e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート:身体活動とエネルギー・栄養素」

体重の数字に振り回されずに体脂肪を減らすには、今の体の状態と生活に合ったやり方が必要です。まずは体験トレーニング(約50分)で、一緒に確認しましょう。→ 体験トレーニングの流れを見る

よくある質問

サウナに毎日入れば痩せますか?

サウナだけで体脂肪が減るとは考えにくいです。サウナのあとに減る体重は主に汗として出た水分で、水を飲めば戻ります。心拍計から推定した研究でも、10分のサウナで使うエネルギーは約73kcalで、体脂肪1kg(約7,000kcal)にはほど遠い量です。体脂肪を減らす基本は、食事と運動でエネルギーの出入りを調整することです。

サウナのあと、どれくらい水を飲めばいいですか?

サウナの前後で体重を測り、減った分を目安に少しずつ補ってください。医学誌のレビューでは、1回のサウナで出る汗は平均0.5kgほどとされています。厚生労働省も、のどの渇きを感じていなくても、こまめに水分をとるようすすめています。お酒は水分補給の代わりになりません。

筋トレのあとにサウナに入ってもいいですか?

体調が良く、水分をとれるなら、入ること自体は問題になりにくいと考えています。ただ、回復に良いと言い切れる根拠はまだ弱いです。男性ランナー6人の試験では持久力が上がった一方、競泳選手など20人の試験では、激しい練習のあとのサウナで翌朝のタイムが遅くなりました。翌日に強い練習がある日や、疲れが強い日は控えめにしてください。

この記事は、日吉駅西口から徒歩3分・女性専用の日吉のパーソナルジム CLEAN. が書いています。

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