筋トレの効果はいつから?筋力・見た目・体重が変わる時期

体験トレーニングにお越しになる方から、よく聞かれる質問のひとつが「筋トレの効果は、いつごろから出ますか」です。「1か月やっても体重が変わらなくて」「何か月続ければ見た目が変わりますか」と、少し不安そうに聞かれることもあります。

この記事では、その質問に研究の数字で答えます。「1か月で見違える」と書いたほうが入会につながるのかもしれません。でも、研究の結果はもう少し地味で、そのかわり筋が通っています。何が、どの順番で、どのくらいの期間で変わるのかを、分かっていることと分かっていないことに分けて書きます。

先に結論です

  • 最初に変わるのは「筋力」です。早い研究では2〜4週間で、持ち上げられる重さがはっきり伸びています。この時期の伸びは、筋肉が太くなったからではなく、主に神経の使い方がうまくなったためです。
  • 筋肉そのものの変化は、3週間ほどで測定器では分かります。ただし、この時期の増加には、トレーニングによる一時的なむくみが混ざっているという研究があります。
  • 見た目の変化は、8〜12週間(2〜3か月)がひとつの目安です。10〜12週間の研究で、筋肉の太さが約10〜18%増えたという結果があります。
  • 体重はあまり動かないことが多いです。10週間で筋肉が約1.4kg増え、脂肪が約1.8kg減ったというまとめがあり、差し引きすると体重は0.4kgほどしか変わりません。
  • 女性も、男性と同じ割合で変わります。筋肉の増え方の割合に男女差はなく、上半身の筋力の伸び方の割合は女性のほうが大きいという研究のまとめがあります。
  • ただし個人差はとても大きいです。同じ12週間のトレーニングで、筋肉の太さの変化が2%の人もいれば59%の人もいました。

以下、それぞれの根拠を順番に書きます。

最初の数週間で伸びるのは、主に「神経」の力です

筋トレを始めて最初の数週間で、「前回より重いものが持てた」「回数が増えた」と感じる方は多いと思います。これは気のせいではありません。ただ、その時点で筋肉が大きくなっているわけでは、まだありません。

この点を最初に示したのが、1979年にAmerican Journal of Physical Medicineに掲載されたMoritaniとdeVriesの研究です。男性7人・女性8人が8週間の筋トレを行い、筋力の伸びを「神経の働きによる部分」と「筋肉が太くなったことによる部分」に分けて調べました。結果は、はじめの筋力の伸びは、大部分が神経の働きによるもので、最初の3〜5週間を過ぎてから、筋肉が太くなることの影響が大きくなっていくというものでした。

神経の働きというのは、たとえば「一度に使える筋線維の数が増える」「動きに慣れて、余計な力が抜ける」といった変化です。体の持ち主が、自分の筋肉を上手に使えるようになる段階だと考えてください。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2009年の指針でも、トレーニング経験のない人では「初期の段階では神経の適応が中心になる」とまとめられています。

伸び幅の例も挙げておきます。2007年にJournal of Applied Physiologyに掲載されたSeynnesらの研究では、7人(男性5人・女性2人、平均20歳)が週3回、太ももの前の筋肉を鍛える種目を35日間続けました。最大筋力は10日目の時点ですでに有意に伸び、35日目には約39%伸びていました。専用の機械で毎回限界まで力を出す、かなり強いトレーニングで、人数も少ない研究なので、誰もが5週間で4割伸びるわけではありません。それでも「筋力は数週間で変わり始める」ことは、ほかの研究とも一致しています。

筋肉そのものは3週間で測れる。ただし最初はむくみも混ざります

同じSeynnesらの研究では、MRIで太ももの筋肉の断面積も測っています。

  • 20日目:3.5〜5.2%増加(ここで初めて統計的にはっきりした増加)
  • 35日目:6.5〜7.4%増加

著者たちは、筋肉の大きさの変化は、わずか3週間で検出できることを初めて示した結果だとしています。

ただし、ここには注意点があります。2016年にEuropean Journal of Applied Physiologyに掲載されたDamasらの研究です。トレーニング経験のない若い男性10人が10週間の筋トレを行い、超音波で太ももの筋肉を測りました。

  • 3週目:断面積 約2.7%増加、ただし筋肉の画像の明るさ(むくみの目安)は約17.2%上昇
  • 10週目:断面積 約10.4%増加

著者たちは、トレーニングを始めたばかりの時期の増加は「純粋な筋肥大ではない」とし、その多くは筋肉の損傷にともなうむくみ(浮腫)によるものだろうと書いています。3週目には、筋肉の損傷や炎症の目安になる血液中の値も上がっていました。

まとめると、最初の数週間で「脚が太くなった気がする」と感じることがあっても、それは筋肉が増えたのではなく、慣れない運動による一時的なむくみであることが多い、ということです。体が慣れてくると、この反応は落ち着いていきます。

見た目の変化は、8〜12週間がひとつの目安です

では、見た目が変わるのはいつか。正直に書くと、「他人が見て分かるのは何週目か」を直接調べた研究は見つかりませんでした。ここでは、筋肉の太さがどのくらいの期間でどのくらい変わるかから考えます。

ACSMの指針は、筋肥大は最初の6週間のうちに明らかになるとしています。そして、ある程度はっきりした数字が出てくるのは、10〜12週間の研究です。

  • 上のDamasらの研究:10週間で太ももの断面積が約10.4%増加(筋肉の大きさで補正したむくみの目安は、10週目には始める前と有意な差がなくなっていました)
  • 2005年にMedicine & Science in Sports & Exerciseに掲載されたHubalらの研究:女性342人・男性243人が12週間、片腕の力こぶの筋肉を鍛えたところ、筋肉の断面積は女性で平均17.9%、男性で平均20.4%増加

断面積で1〜2割の変化は、写真で比べたり、服のサイズ感で気づいたりできる可能性が出てくる大きさだと、私たちは考えています。「2〜3か月続けて、写真で比べると違いが分かる」という目安は、この数字とおおむね噛み合います。

ただ、見た目は筋肉だけで決まるわけではありません。筋肉の上に脂肪がどれだけ乗っているか、姿勢がどうかでも大きく変わります。脂肪を減らすには食事の調整が欠かせないので、筋トレだけで3か月後の見た目を約束することはできません。

体重は、あまり動かないことが多いです

「1か月がんばったのに体重が減らない」は、筋トレを始めた方からいちばん多く聞く悩みです。これには理由があります。

2012年にCurrent Sports Medicine Reportsに掲載されたWestcottの総説では、10週間の筋トレで、除脂肪量(筋肉など脂肪以外の重さ)が約1.4kg増え、安静時の代謝が約7%上がり、脂肪が約1.8kg減る可能性があるとまとめられています。

ここで、体重計の数字を計算してみてください。筋肉が1.4kg増えて、脂肪が1.8kg減ると、差し引きはマイナス0.4kgです。体の中身は3kg以上入れ替わっているのに、体重計ではほとんど変化が見えません。同じ体重なのに見た目が違うのは、まさにこの入れ替わりです。

もう少し短い期間の結果もあります。1994年にJournal of Applied Physiologyに掲載されたStaronらの研究では、男女が週2回・8週間、下半身の筋トレを行いました。筋力ははっきり伸びましたが、体重、除脂肪量、体脂肪率、太ももの周囲径には、8週間で有意な変化はありませんでした。下半身だけ、食事の調整なし、という条件の結果ですが、「2か月では数字に出ないこともある」というのは覚えておいてよいと思います。

体重は、水分や食事の量でも日々上下します。筋トレの成果を体重だけで判断すると、うまくいっているのに「効果がない」と誤解してやめてしまうことがあります。体重の見方は体重を毎日測るデメリットにもまとめています。

女性の場合、変わり方の「割合」は男性と同じです

「女性は筋肉がつきにくいから、効果が出るまでもっと時間がかかるのでは」と聞かれることがあります。研究の結果は、そうではありません。

2020年にJournal of Strength and Conditioning Researchに掲載されたRobertsらのメタ解析は、同じトレーニングを行った若い〜中年の男女を比べた研究をまとめたものです。

  • 筋肉の増え方(10件の研究):男女で有意な差なし
  • 下半身の筋力の伸び方(23件):男女で有意な差なし
  • 上半身の筋力の伸び方(17件):女性のほうが大きい

ここでいう「伸び方」は、元の値に対する割合です。上のHubalらの研究でも、腕の筋力(1回で持ち上げられる重さ)の伸びは女性が平均64.1%、男性が平均39.8%で、女性のほうが大きく伸びていました。筋肉の太さの伸び(女性17.9%、男性20.4%)は、男性がわずかに上回る程度です。

また、上のStaronらの研究では、筋線維のタイプの変化が、男性ではトレーニング開始から4週間後だったのに対し、女性では2週間後に見られました。著者たちは、トレーニング初期の筋肉の適応は男女で似ているとまとめています。

もちろん、もともとの筋肉の量は男性のほうが多いので、増える「量(kg)」では男性のほうが大きくなります。ですが、自分の体を基準にした変化の割合と、変わり始める時期は、女性も男性と変わりません。女性だから効果が出るのが遅い、ということはありません。

個人差は、思っているよりずっと大きい

ここは大事なので、はっきり書いておきます。Hubalらの研究で、同じ12週間・同じ内容のトレーニングをした585人の結果には、次のような幅がありました。

  • 筋肉の断面積の変化:2%〜59%
  • 筋力の変化:0%〜250%

著者たちは、男女とも反応の幅がとても大きいと結論しています。この記事に書いた「3週間」「8〜12週間」は平均的な目安で、早く変わる人もいれば、時間がかかる人もいます。周りの人や、ほかの誰かの体験談と比べて焦る必要はありません。

続けるための目安:時期ごとに「見る場所」を変える

ここまでの研究から、時期ごとにどこを見ればよいかを整理します。体の変化には順番があるので、見る場所を変えると、途中で「効果がない」と感じにくくなります。

  • 1〜4週目:扱える重さと回数を見ます。この時期は筋力が伸びる時期です。脚や腕がむくんだように感じても、多くは一時的なものです。体重は気にしなくて大丈夫です。
  • 5〜8週目:重さの伸びがゆるやかになり始めます。ここで筋肉そのものが増え始めています。同じ服、同じ場所で写真を撮っておくと、あとで比べられます。
  • 9〜12週目:写真、ウエストやヒップの周囲径、服のサイズ感を見ます。研究で筋肉の太さに1〜2割の変化が出てくるのがこの時期です。
  • 3か月以降:伸びは少しずつゆるやかになりますが、続けるほど差は広がります。ACSMの指針も、長い期間ずっと同じペースで伸び続けることはできないとしています。

トレーニングの内容については、次の2つが目安になります。

回数は週2〜3日。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことを勧めています。ACSMの指針も、初心者は全身を週2〜3日鍛えることを勧めています。週の回数についてくわしくは女性の筋トレは週何回がいい?にまとめています。

重さを少しずつ上げる。ACSMの指針では、決めた回数より1〜2回多くできる状態が2回続いたら、重さを2〜10%上げることを勧めています(小さい筋肉の種目は少なめ、大きい筋肉の種目は多め)。ずっと同じ重さのままだと、体はそれ以上変わる理由がなくなります。

そして、いちばん大事なのは、効果が見えにくい最初の2か月をやめずに越えることです。続かなくなる理由と対策はパーソナルジムが続かない理由に、最初の1か月の過ごし方は日吉でダイエットを始めるなら、最初の1か月に何をするかに書いています。

参考:日吉のCLEAN.の場合

比較の材料になるよう、当ジムがどうしているかも書いておきます。

CLEAN.は、日吉駅 西口から徒歩3分、女性専用・完全個室のパーソナルジムです。行っているのは、ダンベルやマシンを使う筋トレと、毎日のLINEでの食事指導です。この記事で書いたとおり、筋トレで筋肉を増やすことと、食事で脂肪を減らすことは別の仕事なので、両方を組み合わせています。コースは月4回(週1回のペース)と月8回(週2回のペース)の2つです。

体験トレーニングでは、最初に姿勢と動きを確認し、目的をうかがいます。そのうえで、どの時期に何が変わりやすいか、何を記録しておくとよいかもお伝えしています。

料金は月4回コースが42,000円(税込46,200円)、月8回コースが72,000円(税込79,200円)、入会金は30,000円(税込33,000円)です。体験トレーニングは約50分・5,000円(税込5,500円)で、ご入会された場合は無料になります。ウェア・シューズ・タオル・水はすべてお貸しするので、手ぶらで来ていただけます。

まとめ

筋トレの効果は、順番に出てきます。最初の2〜4週間で伸びるのは筋力で、これは主に神経の使い方がうまくなるためです。筋肉そのものは3週間ほどで測定器では分かりますが、この時期の増加にはむくみも混ざっています。

見た目の目安は8〜12週間です。10〜12週間の研究で、筋肉の太さが約10〜18%増えています。一方で体重は、筋肉が増えて脂肪が減るぶん、あまり動かないことが多いです。

女性も、変わり始める時期と変わる割合は男性と同じです。ただし個人差はとても大きいので、他人と比べず、時期ごとに見る場所を変えながら、週2〜3日を続けてください。

- CLEAN.

出典

Moritani T, deVries HA, American Journal of Physical Medicine, 1979/Seynnes OR, de Boer M, Narici MV, Journal of Applied Physiology, 2007/Damas F ほか, European Journal of Applied Physiology, 2016/Ratamess NA ほか(American College of Sports Medicine), Medicine & Science in Sports & Exercise, 2009/Hubal MJ ほか, Medicine & Science in Sports & Exercise, 2005/Westcott WL, Current Sports Medicine Reports, 2012/Staron RS ほか, Journal of Applied Physiology, 1994/Roberts BM, Nuckols G, Krieger JW, Journal of Strength and Conditioning Research, 2020/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

どのくらいの期間で、何が変わりそうかは、今の体の状態と目的で変わります。まずは体験トレーニング(約50分)で、一緒に確認しましょう。→ 体験トレーニングの流れを見る

よくある質問

筋トレを1か月続けても体重が変わりません。効果がないのでしょうか?

そうとは限りません。最初の1か月で主に伸びるのは筋力で、筋肉が増えて脂肪が減っても、体重の差し引きはあまり変わらないことが多いです。10週間で筋肉が約1.4kg増え、脂肪が約1.8kg減るというまとめでも、体重の差は0.4kgほどです。扱える重さや回数が伸びていれば、体は変わり始めています。脂肪を減らしたい場合は、食事の調整も組み合わせてください。

筋トレで見た目が変わるのは何か月くらいからですか?

8〜12週間(2〜3か月)がひとつの目安です。10〜12週間の研究で、筋肉の太さが約10〜18%増えたという結果があります。ただし個人差がとても大きく、同じ12週間でも変化が2%の人から59%の人までいました。見た目は脂肪の量や姿勢でも変わるので、写真や周囲径で比べるのがおすすめです。

女性は男性より筋トレの効果が出るのが遅いですか?

遅くはありません。男女を比べた研究のまとめでは、筋肉の増え方の割合に男女差はなく、上半身の筋力の伸び方の割合は女性のほうが大きいという結果でした。もともとの筋肉の量が違うので増える量(kg)は男性のほうが多くなりますが、変わり始める時期と、自分の体を基準にした変化の割合は同じです。

この記事は、日吉駅西口から徒歩3分・女性専用の日吉のパーソナルジム CLEAN. が書いています。

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